観音参りについて

観音参りのしかた

観音さまとは

観音さまとは「観世音菩薩」と称します。『菩薩』とは「真理を求めて修行する人」という意味で、本来ならば真理を悟った人である『如来』の位に上がる事が出来る仏さまでありながら、衆生を救済する為に下りてこられた仏さまです。世の衆生の音声を観ずる仏さま「観世音」として古くより広く庶民に信仰されてきました。「観音経」には「もし無量百千万億(人)の衆生あって諸々の苦悩を受ける事あらば一心に観世音菩薩の名を念じれば即座にその音声を観て皆解脱(悟り)を得せしむ」とあります。このように広大無辺な慈悲を具現してくださる仏さまであり、古来より現代に至るまで最も私たちに身近な仏さまとして信仰を集めています。

同行二人

四国八十八ヶ所はお大師さまと巡る巡礼ですが、観音霊場では観音さまと巡ります、その昔は観音さまのお像を担いで巡礼して廻ったそうです。いつも観音さまと一緒である事を感謝しつつ、観音さまと二人三脚で巡っていただきたいと思います

巡礼用具と服装

お参り(お遍路)には服装や用具について厳密な決まりはありませんが、観音さまの御前で敬虔な気持ちでお参りするのですから、それなりの服装(装束)で必要最低限の用具は携帯する事が望ましいでしょう。

  • 白衣
    はくえ

    巡礼の正装です。(俗世を離れて心の清らかさを象徴する浄衣)
    普段着に白衣を羽織るのが最近では定番と成っているようです。

  • 笈摺
    おいずる

    笈摺(朱印用白衣)は納経帳と同様にご朱印をいただくもので一般的には着用しない。

  • 輪袈裟
    わげさ

    巡礼者の必需品、巡礼の時に首に掛けます。付ける事によって心の浄化、罪業の消滅、仏さまの光が身に加わり、釈迦の姿に通じて行くと言う事から大事にされます。

    お手洗いに入る時や、食事のときは外しましょう。

  • 頭陀袋
    ずだぶくろ

    線香、経本、納経帳などを入れます。

  • 念珠
    ねんじゅ

    参拝の際、手を合わすときにかけます。

    お手洗いに入る時や、食事のときは外しましょう。

  • 線香

    奉納用の線香です。

  • 経本

    般若心経や延命十句観音経が載っているものを選びましょう。暗記しても経本を見ながら読経するのが慣しです。

  • 納経帳

    納経(または読経)の証として、各札所の納経所にて黒書、ご朱印を戴くもので、ご朱印帳と呼ばれています。

  • 納経軸

    お軸にご朱印を受け、表装仕上げをしたものです。子孫末代までの一家の宝物としてお持ちください。

札所への参拝作法
  • 1
    三門
    山門前で合掌礼拝してから入りましょう。その札所の観音さまを頭に浮かべて礼拝しましょう。その札所のご本尊さまが観音さまでない場合にはご本尊さまにも礼拝しましょう。
  • 2
    本堂
    お賽銭を上げましょう。この時も観音さまを頭に浮かべて下さい。観音堂が別にある場合には、礼拝の後に観音堂へ移りお賽銭を上げます。以下は同様です。
  • 3
    読経
    お経を唱えます。般若心経、延命十句観音経、観音真言を唱えるとよいでしょう。
  • 4
    納経所
    ご朱印をいただきます。手書き墨書を戴く場合にはお参りの前に納経所に預けることをお勧めします。 ご朱印のみは100円。手書き墨書は300円。掛け軸ご朱印200円、ただし掛け軸への手書きは300円です。
  • 5
    山門
    帰る際にも山門前では合掌礼拝をします。
納経のしかた

納経とはお経を唱える事です。観音さまの前でお経をお唱えする事により功徳を得、それを自分のものとせずに普く一切に回向(巡らす)することによって修行となります。巡礼を単なるスタンプラリーにするのではなく、仏道修行にする為には納経は欠かせません。納経には二通りあります。読経と写経です。当霊場では読経をお勧めしています。

読経のしかた

当霊場では、以下の手順通りに読経する事をお勧めしております。

  • 1
    身を調え、お線香を点け(1本)真っ直ぐに立て、呼吸を調え、心を調える。
  • 2
    開経偈
  • 3
    懺悔文
  • 4
    般若心経
  • 5
    延命十句観音経
  • 6
    観音真言
  • 7
    普回向「願わくはこの功徳をもって普く一切に及ぼし、我らと衆生と皆共(みなとも)に仏道を成(じょう)ぜんことを」
  • 8
    十方三世一切仏(じーほーさんしーいーしーふー)
    諸尊菩薩摩訶薩(しーそんぶーさーもーこーさー)
    摩訶般若波羅蜜(もーこーほーじゃーほーろーみー)

お参りについてのQ&A

Q 1. 徒歩以外の交通機関を利用しても良いですか?
A

あなたの考え方次第です。当霊場ではいかなる巡礼者でもありがたくお迎え致します。昔は徒歩しか手段がなかった。今はそれ以外にも手段がある。もちろん今でも徒歩で回ることは可能です。移動手段よりも、どうしたら良いお参りが出来るかを考えていただくことが、まず大切であると思います。

Q 2. 仏教徒でない者が巡礼に廻って良いですか?
A

観音さまは信仰によって人を分けません。ただひたすらに観音さまを信じる心があれば、必ず観音さまに通じるでしょう。

Q 3. どのような服装で廻れば良いですか?
A

あまり派手な服装は避けた方が良いと思います。観音さまの前に立つのですから、それ相応にきちんとした格好をしたいものです。巡礼というと白装束です。これは、厳しい巡礼の旅の途中で行き倒れになってもいいように、死出の服装である白装束をまとっていたと言われています。そこまでの覚悟があれば是非白装束をおすすめします。そこまででないにしても白衣をまとうだけでも身も心もグッと引き締まります。おすすめです。

Q 4. 必要な道具がわかりません。
A

以下は基本的な装備ですが、全て揃えると言う決まりはありません。

◎白衣 ◎経本 ◎輪袈裟 ◎納経帳 ◎線香 ◎念珠

Q 5. あると便利な道具は何ですか?
A

頭陀袋(巡礼バック)があると必要な物が一式納められ便利です。多少足腰に不安を感じる方は札所によっては階段がありますので杖があると良いでしょう

Q 6. どのような順番で廻ったら良いですか?
A

順番に決まりはありません。1番から順に廻る事を「順打ち」、33番から逆に廻る事を「逆打ち」と云う言葉があるように、札番に従って廻る方が多いでが、道順やスケジュールによって前後しても構いません。

Q 7. パンフレットや地図が欲しいのですが
A

各札所にてガイドブック(1300円)を販売しています。事務局にても取扱ってますのでご請求ください。その際郵便局の払い込み用紙と共にお送り致しますので送料と共にお支払いください。

Q 8. お参りの時期や時間に決まりはありますか?
A

時期に決まりはありません。当札所には花の寺として知られているところがありますのでこのホームページをご覧なって参考にしていただいて楽しくお廻りください。お参りの時間ですが、季節によって多少異なりますが午前8時頃~午後4時頃までを目安にしてください。

Q 9. お経を上げる場合の作法は?
A

観音さまの前で(座る場合と立っての場合があります)身を調えお線香を1本立てます。次に呼吸を調え、心を調え経本に従い読経します。

Q10. 満願になったのですが
A

満願証をお授けいたしております。最後の札所でお申し出いただくか事務局までご連絡ください。2度目、3度目のお参りもお待ち致しております。

遠州三十三観音霊場会事務局