五番札所 曹洞宗 瑞霧山 大雲院
大雲院 縁起
大雲院の開創は寺伝によると今から720有余年前の鎌倉時代正応2年(1289)に鎌倉の武士中村氏が遠江国入府の折この地に土着、真言宗御獄山等持院を建立し一族の菩提寺としたのが始まりとされている。爾後天正3年(1575)静岡市慈悲尾今川氏家親の菩提寺増善寺七世蘭室宗佐大和尚が等持院に留錫し寺を曹洞宗瑞霧山大雲院と改め開山、今日に至っている。その間には、天明6年(1786)に全伽藍を焼失し多くの寺宝を失ったが、ご本尊聖観世音菩薩、脇物不動尊、毘沙門天は不思議にも無傷で残り、また境内観音堂の北側にある槙の巨木(現在高さ5メートル余)も残ったものである。その後寺は十六年の歳月をかけて伽藍を再興した。観音堂(知蓮寺)のご本尊である秘仏聖観世音菩薩は行基作と伝えられるものである。
また、観音堂に合祀されている文殊菩薩(八百年前の瓦製)は、大変不思議な事に、濡れた布巾でお掃除をすると、白い粉が吹き出る摩訶不思議な菩薩さまである。